子供が生まれる時に国籍について調べたんですが、そこでカナダ国籍の「二世カットオフルール」を知りびっくりしました!
2009年に施行された比較的新しいものなんですが、国外で生まれたカナダ人の子供は、その子供にカナダ国籍を継承できないというものです。
カナダと縁のない人が延々とカナダ国籍を継承するのを防ぐという意味では理解できる法律なんですが、ちょっと寂しいですよね。
我が家の場合、私たちの子供はカナダ人ですが、孫世代では条件を満たさないとカナダ国籍は取得できなくなります。
ポイントを簡単にまとめてみたので確認してみてくださいね!
カナダ国籍を得る方法は3つ
生まれた場所による国籍継承(出生地主義)
カナダ国内で生まれた場合、自動的にカナダ国籍を継承します。
両親がカナダ人じゃなくても、そこで生まれただけでカナダ人の資格があるって言うことですね!
アメリカの出生地主義は有名ですが、お隣カナダもです。
親の国籍による国籍継承(血統主義)
一方または両方の親がカナダ国籍を持つ場合、その子供は自動的にカナダ国籍を継承します。
※ただし例外があり、それが下でお話する「カットオフルール」になります。
我が子たちはこの方法でカナダ国籍を継承しています。
永住者の国籍取得
大人になってから自分の意思で取得するのがこちら。
永住者(永住権を取得した人)は、一定の期間の居住と法的条件を満たすことで、カナダ市民権を申請することができます。
市民権申請プロセスには言語スキルの証明やカナダの知識テストなどがあって、それをクリアして晴れてカナダ人になれますよ。
ちなみに日本人がこれをやると、日本国籍の資格を失うのでご注意ください!!
下の記事(該当箇所に飛びます)で少し説明しています。
外国生まれのカナダ人は子供にカナダ国籍を継承できない!(二世カットオフルール)
上の血統主義による国籍継承のところで「例外がある」と書いたんですが、そこを説明しますね。
二世カットオフルール(second-generation cut-off rule)の概要
- 外国生まれのカナダ人が
- 外国で子供を産んだ時
- 生まれた子はカナダ国籍を継承できない
というルールです。
カナダ国籍の二世カットオフは、2009年4月17日以降に生まれた世代に適用
この日より前に生まれたカナダ人なら、親がカナダ生まれじゃなくてもカナダ国籍をもらえたのね。
2009年4月16日生まれまでの子供:
親がカナダ人でさえあれば特定の制限を受けずにカナダ国籍を継承可能
2009年4月17日以降生まれの子供:
外国生まれのカナダ人を親に持つ子供は、外国で生まれてしまうとカナダ人になれない
(カナダ国内で生まれれば出生地主義でカナダ人になる。)
カナダと関係がうすい人にむやみに国籍を与えないようにする、という点では理解できるルールではあるんですが、問題も…。
反発の声、訴訟もあり
「親が出生時に海外にいたかどうか」だけで切り捨て(カットオフ)するこのルール、反発の声もあります。
訴訟も起きていたので記事になっていた内容を読んでみたんですが、そこで紹介されていたVictoria Maruyamaさんのケースがこちら:
- 香港生まれの中国系カナダ人、1歳でカナダに戻り、カナダでカナダ人として育つ
- 日本で英語教師をしている時に日本人夫と出会い結婚、日本で出産
- 子供を母国(カナダ)で育てたいと思うも、子供にカナダ国籍を継承できない
ってことになって「私はがっつりカナダ人なのに、このルールおかしくない?!」と訴訟に踏み切ったようです。
(訴訟は彼女単独じゃなくて、似たような状況の人たちの集団訴訟)
アメリカみたいに、二世への国籍継承基準に「親の滞在歴」を入れればもっと公平だと思うんだけど…。
Victoriaさんみたいにたまたま両親が外国にいるときに出生、その後カナダで育ったケースだと、確かに自分の子供が切り捨てられるのは悲しいって気持ち分かります。
まとめ
- カナダ国籍の取得方法は、出生地、血統、永住権獲得後に申請して取得、の3つ
- 血統による継承には「二世カットオフルール」が存在し、外国生まれのカナダ人が外国で子供を産むと、カナダ国籍が継承できなくなる。
- 生まれた場所のみで決めるルールのため、反発の声もある
夫はカナダ生まれですが、子供達はそれぞれイギリスと日本生まれなので孫をカナダ人にしたい場合はカナダで出産する必要があります。
我が子たちが親になる頃にはルールがもう少しゆるくなってくれるといいなと思うけど、むやみに国籍を与えたくないカナダの立場も分かるのが難しいところ。
子供達にはしっかり伝えて選ばせようと思います!
参考リンク:
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